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医療保険には加入できなくても、傷害保険には加入できるって本当?(手続き簡単)
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けがや病気に備えて医療保険に加入しようとしても、健康上の理由で加入できないことがあります。では、傷害保険には持病がある場合でも加入できるのでしょうか。今回は、傷害保険について特徴や加入手続きについて、傷害保険と医療保険の比較を交えながら確認していきましょう。
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- 傷害保険と医療保険は似ているように思われるが、補償範囲は異なる・傷害保険は医療保険と異なり、契約時に健康状態の告知は不要
- それぞれの保険の特徴を理解し、自分のリスクに見合った保険への加入を
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■傷害保険と医療保険の違いとは
傷害保険と医療保険は共通点も多く、よく似ていると思われがちですが、実は補償範囲が大きく異なります。
医療保険は、病気やけがをした場合の負担を軽減するために加入する保険です。入院や手術が必要になった場合等に、入院給付金や手術給付金、保険金を受け取れます。通院特約がある医療保険でも、一般的には退院後の通院に対して給付金が出る形になっています。
一方、傷害保険はけがをした場合に給付金が受け取れる保険であるため、病気は補償の範囲外です。けがによる入院や手術だけでなく、一般的には通院だけでも給付金が出ます。
また、死亡・後遺障害状態になった場合も給付金を受け取れます。国内外を問わず、日常生活でのけがをはじめ、仕事やレジャー、旅行中など幅広い場面でのけがを補償します。
ただし、傷害保険におけるけがは、「急激かつ偶然な外来の事故」によることが条件です。例えば、時間の経過によっておこる日焼けや腰痛、内的な要因による病気が原因で転倒しけがをした場合等は対象外です。■傷害保険の種類
傷害保険は一つだけでなく、いくつかの種類があります。どんな種類のものがあるのかを見ていきましょう。
●普通傷害保険
日常生活や通勤・通学中等で起きたけがを対象とする、基本的な傷害保険です。万が一死亡したり、後遺障害が残ったりした場合には、死亡・後遺障害保険金の対象となります。
●旅行傷害保険(国内・海外)
旅行中のけがはもちろん、手荷物の損害、賠償責任等を対象に保険金が支払われます。また、事故に遭う等、万が一の際に家族が現地(海外)に向かうときの交通費・滞在費も補償されます。
海外旅行保険と一般的な傷害保険で大きく異なるのは、旅行中の病気も対象となる点です。日本国内では公的医療保険制度が利用できて負担を抑えられても、海外では医療費が高額になることが多いため、万が一に備えておいたほうが安心でしょう。■傷害保険を契約する際の手続き
医療保険を契約する際は、保険の対象となる被保険者の過去の病歴や持病の有無、通院歴等の健康状態を保険会社に告知しなければなりません。一方、傷害保険では加入時に健康状態を告知する必要はないため、健康状態にかかわらず加入できます。
ただ、傷害保険に加入する際には、被保険者の職業を告知する必要があります。けがのリスクが大きい職業に就いている方はけがをするリスクが高くなり、保険料が異なる場合があります。
傷害保険は医療保険に比べて告知事項が少ないため、手続きは簡単です。■傷害保険の保険料はどうなっている?
医療保険の保険料は、加入時の年齢ごとに保険料が上がっていきます。
一方で、傷害保険の保険料は職業によって異なります。バスやタクシーの運転手、土木作業者等けがをするリスクの高い職業の方は、営業職や事務職等のけがをするリスクの低い職業の方よりも保険料は高くなる傾向にあります。
また、保険の対象を本人だけでなく配偶者を含めたり、家族にまで広げたりすることもできます。対象を広げると、本人のみで加入するより保険料は高くなりますが、家族それぞれが個別に加入するよりは割安になる傾向があります。■傷害保険の加入が推奨される人
既に医療保険に加入している場合でも、通院のみでは給付対象にならない場合があります。そのため、日常生活で転倒などのリスクが高い高齢者や、スポーツを趣味として行っている人などは傷害保険に加入しておくと安心です。
健康上の理由から医療保険への加入は難しいけれど、けがにはきちんと備えておきたい人も、加入を検討すると良いでしょう。また、子どもは学校生活でけがをすることも多いため、学校から傷害保険加入の案内がくることもあります。
最近は、自転車で他人にけがをさせた場合の補償となる「個人賠償責任保険」の契約を義務付けている自治体も増えています。個人賠償責任保険は、自動車保険や火災保険に特約としてセットできるだけでなく、傷害保険にもセットでき、ひとつの保険にセットすれば家族全員が対象になるタイプもあります。必要ならば傷害保険を契約してセットすると良いでしょう。■それぞれの保険の特徴を理解し、自分のリスクに見合った保険への加入を
ここまで、傷害保険の内容や補償範囲を医療保険と比較しながら解説しました。傷害保険は、医療保険とは補償範囲や給付金や保険金が出る条件も異なります。けがの際の補償を手厚くしたい方は、傷害保険の契約を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事の執筆協力
- 執筆者名
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福島佳奈美(CFP ®)
- 執筆者プロフィール
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ファイナンシャルプランナー、DCアドバイザー。情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務した後FPとして独立。保険、住宅ローン、教育費、老後資金準備などのマネーコラム執筆やセミナー講師、個人相談でお金の不安をなくすための正しい知識とライフプランニングの重要性を伝えている。
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