- コラムタイトル
-
意外と身近!賠償責任を負うリスク
- リード
-
日常生活を送るうえで、たとえ意図的ではなかったとしても、自分や家族が他人にケガをさせてしまったり、他人のモノを壊してしまったりすることがあり、その時には法律上の賠償責任を負うことが多いです。そんな時にそなえ、加入しておくと安心な保険契約が個人賠償責任保険です。この保険が、身近で起こるどのような事故をカバーしてくれるか、解説します。
- コラムサマリ
この記事は3分で読めます。
- 個人賠償責任保険は、日常生活に起因する偶然な事故により他人の身体や財物に損害を与えたとき、法律上の妥当な賠償金額を補償する保険商品
- 保険料は比較的安価である一方、日常生活に潜むさまざまな賠償リスクが補償対象に含まれている。
- 一方、故意の事故、親族同士の賠償事故、仕事に直接起因する賠償事故、車両(自転車以外)に起因する賠償事故、自然災害が原因の事故等、補償対象外の事故形態もある。
※ご契約にあたっては、必ず「重要事項説明書」をよくお読みください。ご不明な点等がある場合には、お問い合せください。
※取り扱い保険会社及び保険商品について、ご不明な点等がある場合には、お問い合せください。
※文中に記載の保険商品、サービスの名称及び内容は保険会社によって異なる場合がございます。
- 本文
-
■個人賠償責任保険が利用できる条件とは?
個人賠償責任保険は、故意ではない事故で他人の身体や財物に損害を与えてしまった時に負う、法律上妥当な損害賠償責任を補償してくれる保険商品です。最近増えている自転車による事故も含まれ、ケガをさせてしまった相手への治療費や慰謝料なども補償されます。
また、契約者の配偶者や同居の親族(子ども、父母等)だけでなく、一人暮らしの大学生の子どもなどの、別居の未婚の子どもが原因で生じた賠償事故も補償の対象に含まれます。
なお、契約する場合は、火災保険や傷害保険、自動車保険等の「特約」として契約するか、団体総合生活保険の一種目として契約する等の方法があります。年間保険料は2,000円以下と安価であるにもかかわらず、日常生活に潜むさまざまな賠償リスクが補償対象に含まれており、補償される限度額も大きいため、万が一の備えとして加入しておけば安心です。(補償内容、保険料、契約方法は保険会社によって異なる場合がありますので、詳細は保険会社か代理店に確認しましょう。)■身の回りでよくある賠償事故例は思ったより多い
「賠償責任が生じる」というと重大事故のようにも思えますが、日常生活を送るうえで思ってもみなかった事故は、日々たくさん発生しています。
特に発生頻度が高いのは自転車事故です。普段、気軽に乗っている自転車ですが、事故を起こすと大きな被害に発展し、高額な賠償金を請求されるケースがあります。
また、自治体による自転車保険加入義務化の動きが自転車事故の深刻さを裏付けています。
そのほかにも、身の周りで発生しやすい賠償事故は以下のようなものがあります。
屋内では、マンションで洗濯機などから水漏れして下の階を水浸しにしてしまったり、ベランダから物が落ちて歩行者にケガをさせたりするような場合です。外出先では、買い物中にバッグが当たって陳列商品を壊したり、店舗で飲み物をこぼして他人の服を汚したり、散歩中に飼い犬が人に飛びついてケガをさせてしまったりするケースがあります。レジャーで想定されるのは、ゴルフプレー中に打ったボールが他人に当たりケガをさせてしまったり、混雑した観光地で観光客に接触し、ケガをさせてしまったりすることです。
また、自分は注意していても、子どもが他人の物を壊してしまったり、野球やサッカーのボールが人に当たってケガをさせたり、住宅のガラスを割ってしまったりする事故が考えられます。
個人賠償責任保険は、このように身近で起こり得るさまざまな事故が賠償の対象となります。ちょっとした不注意がきっかけであっても、損害を与えた商品やケガの重さによっては賠償額がかなり高額になる可能性があります。また、万が一相手方が亡くなられたり後遺障害に発展したりした場合は、賠償額が個人で背負いきれないほどの金額になるかもしれません。
更に、トラブルになってしまった時に役立つのが「示談交渉サービス」です。付帯していない保険や、示談代行ができないケースも一部ありますが、相手との間に入って交渉してもらうことができる心強いサービスなので、できれば付いている商品を選ぶことをおすすめします。■個人賠償責任保険を利用できないのはこのような時!
身の周りの事故を幅広くカバーしてくれる個人賠償責任保険ですが、以下に挙げたものは補償の対象から外れるため注意が必要です。保険に加入する時には補償の内容だけでなく、対象とならない場合についてもしっかりチェックしておきましょう。
・補償対象となる方の故意によって発生した場合
・一緒に住む家族をケガさせたり、家族の物を壊してしまったりという場合
・知人や友人など他人から預かった物や借りた物を紛失・破損した場合(対象としている保険会社もあり)
・自転車以外の自動二輪車や原付自動車、四輪車が原因で事故を起こした場合
・学校活動中や仕事中に起こった場合・自然災害(地震・噴火・津波)による場合 等
そのほか、個人賠償責任保険はあくまでも特約のため、火災保険等メインの保険を解約すると自動的に解約となります。クレジットカードのオプションとして付帯されている場合も同様で、カードを解約すると、それに伴って解約となります。■個人賠償責任保険は偶然の事故から自分や家族を守る
個人賠償責任保険は保険料が安価な一方で、偶然の事故により自分や家族が加害者になってしまったリスクをカバーしてくれる心強い味方です。現在加入している火災保険や傷害保険、自動車保険などの内容を確認し、個人賠償責任保険特約を付けていないのであれば検討してみてはいかがでしょうか。
この記事の執筆協力
- 執筆者名
-
渡辺友絵
- 執筆者プロフィール
-
長年にわたり流通系業界紙編集部で記者や編集長として取材や執筆、編集業務に従事し、ビジネス系著書も発行。現在はフリーのライター・編集者として、経済、小売、EC、通販、法律、金融、教育、ジェンダーなどの記事をさまざまな紙媒体やWEB媒体に執筆している。
- 募集文書管理番号
- 07E1-29A1-B20102-202101